色が沈む現象とドライダウン

2021年10月21日

色が沈むってどういうこと?

「色が沈む」という表現をよく聞くけどいまいちピンとこない!という人は多いのでないでしょうか?
そもそもモニターで確認した色味と実際に印刷した印刷物の色が違って見えるのはなぜでしょうか?

印刷する用紙の違い

光沢のある紙に印刷をしたときやモニター上では鮮やかな色に見えるのに、上質紙系の用紙へ印刷したときは鮮やかに色がでない。
濃い色が沈んでグレーっぽく見えたり、鮮やかな色が暗くなったりします。

ドライダウン図解紙の性質によってインクの染み込み方が違うので光沢がある紙は光の反射が大きく色が鮮やかに見えます。対して上質紙などは表面がざらついていて光沢が抑えられておりインクもよく染み込むので暗く沈んだような色に見えます。
このような現象を「色が沈む」と言い、印刷用語で「ドライダウン」と呼びます。

モニターと印刷物の違い

モニターと印刷物は色の再現方法が違い、表現できる色の範囲が異なります。

パソコンのモニターはRGB
レッド(Red)、グリーン(Green)、ブルー(Blue)の光の三原色を利用した色の再現方法です。各色を256段階で表現でき、3色を組み合わせると1,677万色を表現できます。

印刷物はCMYK
シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)の色材の三原色に、キープレート(Key plate)を加えた色の再現方法で、ひとつの色につき0%~100%まで指定ができます。
※キープレートとは印刷の版のことを指し黒が使用されるため、Kは実際上は黒のことを指します。
※CMYKの”K”が、ブルー(Blue)と混同しないようにブラック(BlacK)の”K”を用いたものであるとか、日本語の黒(Kuro)に由来するという説明は誤り。

印刷するプリンターの違い

インクジェットプリンター
家庭用プリンタとしてよく使用されており印刷用紙に液体インクを吹きかけることで色や文字を表現するタイプのプリンター

レーザープリンター
オフィス用のプリンタとしてよく使用されており「ドラム」と呼ばれる「感光体」に印刷イメージをプリントし、それを紙に押し付けることで色や文字を表現します。スタンプのような仕組みで、インクの代わりに「トナー」という粉末状の色材を用いることが特徴です。

デジタルプリンター
印刷業者用の印刷機で名刺や小ロットの印刷物に適しています。オンデマンド印刷機とも呼ばれます。

オフセット枚葉印刷機
現在の印刷方式の主流として用いられる平版(へいはん)印刷のひとつ。写真や色などの再現性に優れ、品質が重視される印刷物を大量に印刷する場合に適する印刷方法です。

輪転印刷機
新聞や折り込み広告など大量枚数の印刷に特化しておりロール紙を使用します。

印刷機の種類もこれだけあるのですから同じ印刷データでも家庭で印刷したもの、オフィスで印刷したもの、印刷業者に依頼して印刷したものでは仕上がりに違いが出てくるのは当然と言えるでしょう。

ドライダウンの対策方法

質感のザラっとした上質紙やマットコート紙は、ドライダウンは避けられないので乾燥後の色の見え方を計算しながら印刷の濃度を調整する必要があります。しかし印刷する職人さんの手間がかかるので一般的な印刷業者だとまず対応してくれません。
コストはかかりますが本印刷をする前に色校正をし、色味を一度確認するのが一番良いと思います。

コストをかけたくない場合は実際に印刷する用紙のカラーチャートで確認するのが良いでしょう。印刷の色味にこだわりたいならカラーチャートは持っていた方が便利です。

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